ここでは、「保険」についての基礎知識的なことをご紹介します。
「保険」を辞書で調べると、 「偶然的に発生する事柄(保険事故)によって生じる経済上の不安に対処するため、あらかじめ多数の者が金額を出捐(しゆつえん)し、そこから事故に遭遇した者に金銭を支払う制度。〔英語 insurance の中国語訳からの借用〕」(『大辞林 第二版』」三省堂刊)とあります。
ひらたく言うと、保険とは、将来起こりうる事故・損害などに対し、予測される発生確率に見合った一定の保険料を加入者が分担し、万一に対して備える相互扶助の精神から生まれた助け合いの制度の一つで、事故や災害から私たちの生命や財産を守るためのものです。
保険は、「公営保険」と「民営保険」に大別されます。
公営保険は、経営主体が国または政府、地方公共団体、公法人などの公的性格のものとなっている保険で、社会政策または経済政策的理由から実施される社会保険と産業保険があります。そのうち社会保険は、社会政策ないし社会福祉として行なわれる国民健康保険、国民年金、雇用保険、船員保険などで、産業保険は、農業保険、漁業保険、漁船保険、輸出保険が例として挙げられます。
民営保険は、民間の損害保険会社、生命保険会社が販売している保険です。
さらに民営保険は、営利保険と相互保険に分けられます営利保険は、保険者が営利を目的として販売している保険で、会社の利益は会社の構成員である株主に帰属することになります(※株式会社組織の損保会社が該当します)。相互保険も、保険者により販売されますが、法律的には保険による保障を希望する人々が団体の構成員となって、その団体が保険者として構成員の保険を引き受けるもので、いわば構成員が相互的に保険を引き受け合う形態です。このような保険業を営むことを目的とする社団法人が相互保険会社で、会社の利益は構成員である契約者に帰属することになります。
ちなみに民営保険であっても、社会政策的趣旨から実施されている自賠責保険(自動車損害賠償保障法に基づく保険)や地震保険(地震保険法に基づく保険)があります。
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